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電通社員の過労自殺、突き付けた重い課題 長時間労働で過去にも自殺者、変わらぬ体質

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女性新入社員が過労で自殺。一企業の問題では済まされない。

東京・汐留にある電通本社。22時を過ぎると全館消灯されるようになった(撮影:尾形文繁)

働きだしてまもなく、一人の女性に悲劇が起きた。

昨年12月25日、広告代理店大手・電通の女性新入社員、高橋まつりさん(当時24)が過労を苦に自殺。三田労働基準監督署は今年9月に労災(労働災害)と認定した。

この問題を受け、東京労働局は10月18日までに、電通本社と子会社に立ち入り調査を実施。塩崎恭久厚生労働相は「過去にも長時間労働に伴う自殺者(1991年)を出した電通で、再び自殺に追い込まれる事案が出たことは極めて遺憾。(中略)全国で実態がどうなのか、徹底的に究明したい」と述べた。

労働局が調査対象を子会社まで広げるのも、大臣が個別企業の問題について指摘するのも、異例の対応だ。

月105時間の残業

遺族側の弁護士によると、女性が自己申告していた労働時間は2015年10月で69.9時間、11月は69.5時間、12月も69.8時間。いずれも労使で定めた36協定の限度である月70時間の範囲にとどまる申告がなされていた。

だが実際には、上限を大幅に超えた残業を強いられていたようだ。ビルの入退館記録から集計した残業時間は10月9日から11月7日で105時間。休日出勤も多かった。本人のツイッター上の発言からは、上司からパワハラとも思われる叱責を受けていたことがうかがえる。11月上旬にはうつ病も発症していたようだ。

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