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労働組合はいったい誰のために存在するのか ついにワタミ労組発足だが委員長の資質に疑念

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労働組合が職場の問題を解決することに期待しない人が、ほぼ半数に上るという。日本で労働運動が産声を上げて約1世紀。働く人が信頼できない空虚な組織に、いったい誰がした。

(本誌:常盤有未、杉本りうこ)

[ポイント1]
労働組合を作らなかった外食大手ワタミでついに労組発足。ただ、初代委員長は経営中枢寄りの人物で創業者渡邉美樹氏の支持者。

[ポイント2]
労組の推定組織率は長期低落の一途。2015年には17.4%に低下。非正規社員の非加盟者が合同労組などに駆け込む例が増えた。

 

「ワタミは近年、ブラック企業として厳しい批判を受けてきた。根本から会社の体質を変え、二度と同じようなことを起こさないためには、従業員自身の意識改革が必要と感じ組合を立ち上げた」

9月上旬に横浜で開かれた、国内最大の産業別労働組合・UAゼンセンの定期大会。今年新たにUAゼンセンに加盟した企業別労働組合を代表し、外食大手ワタミの労組であるワタミメンバーズアライアンスの亀本伸彦委員長はこう抱負を語った。

UAゼンセンの支援の下、ワタミ労組が発足したのは今年1月。全社員に加入を義務づけるユニオンショップ制で、正社員だけでなくアルバイト・パートを含む1万3181人(発足時点)が組合員だ。だが発足が注目されるのは巨大さゆえではない。冒頭の言葉のとおり、批判を集めた企業体質を労組は変えられるのか。そこが焦点だ。

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