「CX系の生産能力の拡大が需要のピッチに追いついていない」。今年4月、2016年3月期の決算説明会で、財務を担当する常務執行役員の藤本哲也は今期の販売台数が伸び悩む理由の一つを明かした。世界販売が10%も伸びた前期に比べ、今期はわずか1%増、台数にして1.6万台しか増えない計画だ。しかも、国内の販売低迷が続けば、前期割れの可能性も高い。
「CX」の略称を車名に冠した車はSUV(スポーツ多目的車)の一種でクロスオーバーと呼ばれる。乗用車と同様、ボディとシャシーが一体になったモノコック構造。快適な乗り心地が消費者に受け、世界で販売を伸ばしている。調査会社のIHSオートモーティブによれば、SUV市場は15年に約2200万台で、この10年で約3倍となった。23年には3000万台を超える見込みだ。
12年以降、スカイアクティブ技術を搭載した新世代商品がヒットしてきたマツダだが、牽引役は何といっても「CX- 5」だ。発売から4年経過したが、15年に実施した商品改良が効き、前期の世界販売は36.9万台と高水準を維持している。セダンの「アクセラ」に続く量販車種であり、販売全体の24%を占める。
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