“お荷物"カネボウの挑戦 花王による買収後10年
10年がかりで組織を統合。新ブランドを投入するが、前途は険しい。

「白斑症状を発症されたお客様には、多大なるご迷惑をおかけした。失われた信頼を回復するために、お客様の声に耳を澄ませ、徹底して安全・安心なものづくりに取り組んでいく」
5月18日、カネボウ化粧品の新ブランド発表会は、夏坂真澄社長の陳謝で始まった。花王の傘下に入って10年間。初の新ブランドだが、重い空気でのお披露目となった。
というのもカネボウは2013年、一部商品の美白成分の副作用で肌がまだらに白くなる白斑症状が報告され、自主回収を余儀なくされたからだ。被害者の数は1万9584人に及ぶ(4月末時点)。
その反省を踏まえ投入する新ブランドは、「KANEBO」。9月から百貨店と化粧品専門店で販売、アジアや欧州での展開も見込む。メーク商品に加え、白斑問題で新ブランドでの発売が遅れていた、スキンケア商品も投入する。
発表会の中で夏坂社長は、「新生カネボウ」という言葉をたびたび口にした。新たなスタートを切る考えだが、過去10年間の“足踏み”期間の代償は大きい。
この記事は有料会員限定です。
(残り 1200文字 です)
【4/30(水)まで】 年額プラン2,000円OFFクーポン 配布中!
詳細はこちらから
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら