国内で“シリコンアイランド”(半導体)“カーアイランド”(自動車)とうたわれた九州。域内総生産は43兆円で日本の8.6%を占める。特にIC生産金額は3割弱のシェアだ。この産業集積地を熊本地震が襲った。
再開に慎重な半導体
2011年の東日本大震災で那珂工場(茨城県)が被災したのが、ルネサスエレクトロニクスだ。当時は3カ月間も生産がストップし、同社の車載用マイコンを採用した自動車メーカーが、軒並み減産に見舞われてしまった。
今回は4月14日の前震直後から主力の川尻工場(熊本市)が生産を停止。耐震工事を実施し、従業員や建物に被害はなかった。が、マイコンは数十ナノmの製品を大量生産するため、生産設備の位置にはわずかなズレも許されない。クリーンルームは設備の点検を経て、22日から一部工程で生産を再開している。
懸念材料は残る。同社は事業継続計画で川尻工場の代替先を滋賀工場(大津市)としていた。だが15年にリストラの一環として、ロームに同工場を譲渡すると発表。代わりの工場が限られる中、在庫がどれくらいもつのか、当面の計画も描きづらい。
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