ここ数年、日本のバリュー投資(割安株投資)は、株価指数に連動させるパッシブ投資や、スマートベータの流行、内需モメンタムの継続などで劣勢に立たされてきた。
しかし、この潮流が2016年から大きく変わる可能性がある。ここ数年の内需株の人気・外需株の不人気という構造が変わり、日本株市場内の「グレート・ローテーション」(大転換)といえる動きが期待される。
その論拠の一つが、投資主体の変化とそれに伴うパッシブ運用資金の鈍化である。
13年以降、日本株市場にはGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)などの公的主体から多額のパッシブ運用資金が流れ込み、評価のひずみが加速し続けてきた。特にコーポレートガバナンス強化とそれを体現したJPX日経インデックス400指数などが脚光を浴び、高ROE(自己資本利益率)銘柄や株主還元ポテンシャルの高い銘柄(高PBR〈株価純資産倍率〉、高PER〈株価収益率〉銘柄)に資金が集中し、そのバリュー効果を薄れさせた。
しかしこの公的マネーの動きが来年以降は鈍化しそうだ。GPIFの国内株式保有比率は目標の25%近辺(23.39%)に達し、日本銀行も堅調な米国経済や為替環境下にあって焦って追加緩和に踏み切る可能性は低い。ファンダメンタルズを無視したような買い入れは、来年以降その勢いを減じ、企業業績がより正当に株価に評価される環境が整いそうだ。
第二に米国の利上げの影響も大きい。公約どおりFRBが15年12月に利上げを行うと想定すると、その後の金利差の拡大で16年末に為替は1ドル130円、17年末に135円へ到達すると筆者らは予想している。
このドル円予想を前提として企業収益への影響を推計すると、16年は外需要因で3.4%、内需要因で1.7%程度EPS(1株当たり純利益)を押し上げる計算となり、外需業種にもたらされる恩恵は大きい。
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