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シャープ 迫られる決断 液晶パネル生存の隘路

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鴻海かそれともジャパンディスプレイか。売却がうわさされるシャープ液晶パネル不振の現実と、今後の行方。

(本誌:許斐健太、杉本りうこ)

「その件については、今は発言するのにふさわしい時期ではない」。そう言い残して、渦中の人物は日本を飛び立った。10月第2週に日本に滞在していた、台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業のテリー・ゴウ(郭台銘)董事長である。

EMS(電子機器受託製造サービス)の世界最大手である鴻海は、経営危機にあるシャープの液晶パネル事業の売却先としてその名が取りざたされている。来日の直前には、シャープが10月に分社化した液晶事業について、鴻海は株式の過半数取得を提案するとともに、米アップルにも協調出資を求めているとの観測が複数のメディアから報じられていた。そのさなかの来日とあって、ゴウ氏がシャープの高橋興三社長や、シャープの主力取引銀行である三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行の幹部に会うことも想定された。

ところが奇妙にも、ゴウ氏はこれらの関係者には面会せずに帰国してしまった。冒頭の言葉は、取材を求めた本誌に対するゴウ氏からのコメントだ。今回の滞在目的は、シャープとは別の日本企業との商談だったようだ。だが、同様の目的で来日した5月には銀行幹部を自ら訪ね、シャープを支援したい意向を伝えている。それならなぜ今回はあっさり帰国したのか、シャープやアップルとの出資協議は本当に検討されているのか……。

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