鴻海(ホンハイ)劇場が始まった! 4月2日、ついに買収契約に調印
足かけ5年の交渉が決着した。シャープは鴻海精密工業の傘下に入る。希代の起業家が回す舞台が今始まる。展開は波乱含みだ。
会見の熱狂から一転、宴はひそやかに始まった。
台湾・鴻海精密工業とシャープは4月2日、大阪府堺市にある両社合弁の液晶工場で、鴻海による買収契約に調印した。その場所から程近いホテルで、記者会見の数時間後に行われたこの宴は、髙橋興三社長らシャープの経営幹部や金融機関関係者らに対し鴻海が労をねぎらい、謝意を伝えるのが目的だった。
宴のスピーチで 舞台の幕は上がった
ホスト、すなわち鴻海の郭台銘(テリー・ゴウ)董事長は、会見に続く金融・産業アナリストや台湾メディアとの質疑応答に追われ、予定を2時間以上過ぎて現れた。
駆け付け何杯も乾杯した後、舞台に上がってマイクを握った郭氏。そこから歌舞伎のつらね(荒事の長ぜりふ)のように、約10分にわたり朗々とあいさつを述べた。
「私はこのところずっと、自分自身に問いかけています。鴻海という歴史わずか42年の企業が、シャープから学ぶべきことは何なのか、と。思うに最も大事なことは、鴻海がいかにしてシャープのような100年企業になるか、ではありません。それよりも重要なのは共に戦い、シャープをさらに脈々と続く企業にすることです。シャープの次の100年に乾杯!
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