世界有数の議決権行使助言会社インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が、今年の議決権行使の助言方針で、ROE(自己資本利益率)を基準の1つとしたことが話題となっている。具体的には、過去5年平均のROEが5%未満かつ改善傾向にない企業については、社長や会長など経営トップの取締役選任(再任)議案への反対を推奨することを盛り込んだ。
ISSは株主総会に出される議案への賛否推奨リポートを世界中の機関投資家に提供しており、機関投資家の投票行動への影響力は絶大だ。今年3月下旬に開催された大塚家具の総会の際も、大塚久美子社長側の提案を推奨するリポートを出し、結果、久美子氏側が勝利している。
ISSは市場ごとの法律や開示制度、文化、習慣の違いを考慮し、地域ごとに独自の「ポリシー」を策定、毎年見直しをして10月に翌年分を公表している。
ISSがポリシーにROE基準を盛り込んだのは今回の日本向けが初。日本企業のROEの低さはかねてから海外投資家に指摘されてきた。以前から決算短信に記載欄もあるが、日本の上場会社の経営層がROE向上を喫緊の課題と認識していたかというと、甚だ疑問だった。
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