岐路に立つIBM 巨象は二度踊れるか
1990年代の経営危機が再来したかの ように、クラウド化の波が押し寄せる。 再び輝きを取り戻せるのか。
「IBMを一から作り直します」
2月26日にニューヨークで開催された米国IBMの投資家説明会。CEO(最高経営責任者)のバージニア・ロメッティは壇上で、再成長に向けた戦略を早口で語り続けた。
この日、ロメッティはキーワードとして「CAMSS(キャムス)」を掲げた。クラウドとアナリティクス(ビッグデータなどの分析)、モバイル、ソーシャル、セキュリティの5分野の頭文字を取った領域を、新たな収益柱に成長させると宣言した。
さらに5分野に対し、40億ドル(4720億円)を投資することで「4年以内に(5分野の)売上高比率を、現在の27%から40%以上に到達させる」とブチ上げた(図表1)。
説明会では過去最大規模のリストラを発表するかに注目が集まっていたが、言及はなかった。その日、IBMの株価は無反応なまま、投資家の関心を引き付けることはかなわなかった。
12四半期連続で減収から抜け出せず
創業104年を迎えたハイテク界の巨象は、窮地に立たされている。昨年10月に発表した2014年7~9月期決算は、売上高、利益ともに市場予想を下回った。決算説明会では「業績に失望している」とロメッティ自らコメントし、「2015ロードマップ」で掲げてきた1株利益20ドルの目標を断念した。
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