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赤字ラッシュで再編第二幕に ゼネコン

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清水に続いて大成も不良資産を一括処理。次は賃金体系、下請け見直しが焦点

「二期連続の赤字決算の結果、諸先輩たちが営々と貯め込んできた内部留保(剰余金)のほとんどを取り崩すことになる。誠に申し訳ないが、次世代に負の遺産を押し付けることは断じて許されない」

記者会見に臨んだ清水建設の近藤一彦専務は、吹っ切れた表情を見せた。

ゼネコン最大手の清水は、1999年3月期に1500億円の特別損失を計上、不良資産の一括処理に踏み切る方針を明らかにした。4月6日には大成建設も、赤字決算(98年3月期に1200億円の特損処理)を表明。これまで赤字をともなうリストラに二の足を踏んできた大手ゼネコンが、バブル資産の最終処理に一気に踏み出した。

大手2社の赤字決算は、ゼネコンのバランスシートに隠されていた傷の深さをまざまざと見せつけた。

清水建設の場合、91年3月期以降、99年3月期までに実行される累計損失処理額(不良債権償却、不動産処分損、株の評価損など)は、実に5000億円。清水の有利子負債は90年3月末からピークまでの4年間に4600億円近く増加しており、見合いで増加した資産が丸々焦げ付いた計算になる。

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