丸山ゴンザレスが迫る「宇宙産業」のこれから ジャーナリスト×宇宙関連ベンチャーCEO
そういう中で、やっぱりこの業界っていうか宇宙開発の業界っていうのは、やっぱりこう 資金調達とか、そういうふうに外部から資金を引っ張ってくるっていうこと自体は、不可欠なやり方なんでしょうか?
眞鍋 そうですね。アメリカのごく一部の、ごく一部って言っても、唯一ジェフ・ベゾスさんだけだと思うんですが、彼に限っては、アマゾン株を売りながら年間1000億から2000億ぐらい開発費に投じるって言ってます。
ですが、イーロン・マスクを含め、われわれもそうですけれども、宇宙業界に新しく入ってきている開発を手がけているメーカー、メーカー業をやっている会社であれば、基本的にはまだ、外部からのエクイティ調達に頼っていると思います。
実績を積んでいけば、政府からお金が出てきたりとか、あと、いちばんお金にだんだんなってきているのが、とくにわれわれロケット側からしてみれば、最大のお客さんはどこかっていうと、今は人工衛星の打ち上げですね。
そこから、打ち上げサービスの費用として、お金をいただくっていうのが、徐々に始まってきてるかなというところではあります。
「軍事力の誇示」から「ビジネス」へ
丸山 どうしても、企業体っていうと、利益を出さないといけないじゃないですか。それとなんか宇宙っていうと、どうしても僕みたいな年代の人間からすると、宇宙っていうのは、ロマンのためにやるもので、利益を出すっていうところとは、まだ遠かったのかなっていうのがやっぱりイメージとしてあったんですけど、でも徐々に、利益自体を出せるような業界にはなり始めてるっていうところなんですよね?
眞鍋 今年っていう目線で言うと、まだなんだと思いますけども、徐々にその機運は高まっていると思ってます。
というのは、私自身は、もともと宇宙関係者でもなければエンジニアでもなくて、もともとは公認会計士だったんですけども、なんで宇宙業界に入ったかっていったら、すごく時代の節目で面白そうだなと思ったのがあって。
今までの宇宙開発と、ここ数年の宇宙開発、民間主導の宇宙開発っていうのは全然違ってて、今まではどうしても国が、国家プロジェクトで、各国の安全保障の目的であったりとか 軍事力の誇示の目的で宇宙開発をやられてきてましたから、あまり利益っていうよりは、どっちかっていうと、その力を誇示するっていうところがメインかなと思います。
ただ、ここ数年で、宇宙開発が民間主導になってきて、ちゃんとしたビジネスになりつつあるっていう、その背景は、やっぱり1つ前、前の時代にITっていうのがあって、ITが普及して、要は通信サービスが普及していって、その通信サービスをもっと広範囲に、より安く提供できるところを、いま宇宙が、民間のサービスとして、大きなマーケットを形成しつつあると感じてます。