PTA活動「オンライン」にした学校どう変わった? 効率化、スリム化され負担は軽減されたのか
これまで、学校行事のお手伝いは主にPTA役員が担っていたのですが、『YAGINET』のメッセージ機能を使って『○月×日に△△のお手伝いをお願いしたいのですが、できる方いますか?』と投げかけると、PTA活動になかなか参加できなかったお父さん方が手を挙げてくれるように。
今年の運動会は、前日が雨で校庭のコンディションが悪かったのですが、当日朝の校庭整備のお手伝いを募集したところ、突然の呼びかけにもかかわらず、50人以上の保護者が集まってくれました」(伊藤氏)
同校では、20年のコロナ休校開けから、PTA主導で学校の消毒作業を毎日行っているという。
「『YAGINET』で、毎日午前と午後3名ずつ募集しています。日ごとの集まり状況が一目でわかる見せ方にし、保護者が自分の予定と照らし合わせて参加を検討できるよう工夫しました。できる人ができるときに参加できる体制を継続できています」(八巻氏)
オンラインツールの活用がPTA同士の連携に
仙台市内の小・中学校187校が加盟する仙台市PTA協議会でも、伊藤氏の導きで「サイボウズOffice」を導入。こちらは「SHIP-NET(シピーネット)」と命名された。
「学校単位でアカウントを配り、市内の子ども向けの行事や保護者向けのイベントなどPTA協議会からの案内を共有したり、行事や会議の出欠確認を行ったりしています。仙台市PTA協議会では、毎年市内の小・中学生の親子が楽しめるイベント『仙台市PTAフェスティバル』を開催しているのですが、昨年、今年はオンラインで対応。『SHIP-NET』を活用して申し込み受け付けなどを行っています」

仙台市立八木山南小学校PTAデジタル室
19年から20年にかけて副会長を務め、21年から現職。2児の父
(写真:本人提供)
PTAによるオンラインツールの活用が、地域のPTA同士の連携にもつながった好事例といえる。
「PTAは、地域活動の登竜門だと思っています。これまで取り組んできたことをよりたくさんの方に知ってもらい、PTA活動をきっかけに、地域で活躍する人材が増えていくことを望んでいます。また、今後は『YAGINET』を利用して、学校行事のライブ配信やオンライン授業参観なども積極的に行っていきたいですね。より参加しやすい組織に進化させ、ゆくゆくは、『こんなことがしてみたい』と発信した保護者がプロジェクトリーダーになってプランを進めていけるような仕組みもつくっていきたいと思います」
こう話す伊藤氏に、八巻氏も続く。
「これまでのPTA活動に加え、GIGAスクール構想が進む中で保護者のITリテラシーを高める啓発活動なども行っていきたいですね。社会福祉協議会など地域の団体ともコラボレーションしながら、ITを使って子どもも大人も楽しめるようなイベントも企画していきたいと思います」
(企画・文:長島ともこ、注記のない写真:Graphs/ PIXTA)
制作:東洋経済education × ICT編集チーム
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