PTA活動「オンライン」にした学校どう変わった? 効率化、スリム化され負担は軽減されたのか

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これらに加え、外部講師による完全オンラインの保護者向けZoom講演会の開催、地域の防犯活動を行う地区委員が毎年手書きで制作していた「地区マップ」を「Google My Maps」に落とし込み、ホームページ上での可視化を実現させた。

コロナ禍の夏休み、花火大会を実現

そして21年4月、吉田氏はPTA会長に就任。

「昨年度は活動のオンライン化を進め、コロナ禍でもコミュニケーションが図れる体制を整えることができましたが、恒例行事がまったくできませんでした。今年こそ、子どもたちが喜ぶ、みんなの思い出に残る行事を行いたい。感染対策しながら実施できるイベントとは何かを考えるうち、夏休み、校庭での花火大会開催を思い立ちました。混雑や密を避けるため、学校ではなく自宅や自宅周辺で観覧する『お家から見上げる花火』です」

PTAの予算のみでは実現が難しいということで、クラウドファンディングにも挑戦した。

「目標を大きく超える金額が集まっただけではなく、実現に向け、PTAのメンバーや学校はもちろん、消防署、観光協会、今井小学校卒業生でもある自治会の有志の方たちや市議会議員さんなどさまざまな立場の方がサポートしてくださいました。地域の方々から寄付金もいただき、当初の想定よりも打ち上げ数の多い、本格的な花火大会を実現することができました。当日は、YouTubeによるライブ配信も行いました。『いろんな色の花火がきれいだった』『家から見ることができて、すごかった』など、子どもたちが喜んでくれたことが何よりもうれしいですね」

コロナ禍で恒例行事ができない状況が続く中、PTA主導で自宅や自宅周辺で観覧する花火大会を企画し、夏休みに実現
(写真:青梅市立今井小学校PTA提供)

今年度、お子さんの小学校卒業と同時にPTAを卒業する吉田氏。

「無我夢中で走り続け、オンライン化を何とか軌道に乗せることができました。今は、後に続く役員さんたちが運営しやすい本部のあり方、保護者が参加しやすいPTA活動のあり方をみんなで検討している最中です。忙しい保護者が強制感ではなく、楽しみにして参加できるような活動に近づけて引き継いでいければと思っています」

花火大会には、PTAのメンバーや教職員はもちろん、消防署、観光協会、自治会や市議会議員など地域からのサポートもあった
(写真:青梅市立今井小学校PTA提供)

PTAの応援を掲げる、サイボウズの「チーム応援ライセンス」

オンライン化に着手するPTAが徐々に増えていく中、こうしたPTAを企業がサポートし、独自のサービスを提供するケースもある。

渡辺清美(わたなべ・きよみ)
サイボウズ 社長室 NPOプログラム担当を経て 2018年にチーム応援プログラム立ち上げ
(写真:本人提供)

その1つが、サイボウズの「チーム応援ライセンス」だ。サイボウズといえば、グループウェア「サイボウズOffice」やクラウドサービスの業務改善プラットフォーム「kintone」などで知られるIT企業。「チーム応援ライセンス」では、PTAやNPO法人などの任意団体に向け、これらのツールを年額9900円(税別)で提供している。

「チーム応援ライセンスには『kintone』『サイボウズOffice』『Garoon』『メールワイズ』と4つのクラウドサービスがありますが、PTAさんでよく利用いただいているのは、スケジュールや掲示板などの定番機能を備えた『サイボウズOffice』と、業務に応じたアプリを簡単な操作で構築できる『kintone』です」(サイボウズ 社長室 渡辺清美氏)

いずれも30日間無料で試用可能で、導入相談にも随時応じている(土・日・祝は除く)。

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