PTA活動「オンライン」にした学校どう変わった? 効率化、スリム化され負担は軽減されたのか

サイボウズ ビジネスマーケティング本部 サイボウズLive担当を経て2018年にチーム応援プログラム立ち上げ
(写真:本人提供)
「オンライン化の事例や課題解決のノウハウをユーザーさん同士で共有する『チーム応援カフェ』も、月に一度オンラインで開催しています。今後は、このような交流の機会を増やしていきたいですね」(渡辺氏)
「サイボウズOffice」と「メールワイズ」はユーザー数の上限が300、「kintone」と「Garoon」は上限が900だ。
「定番のグループウェア機能を利用したいなら『サイボウズOffice』、ツールでしたいことが明確なら『kintone』でアプリを構築するのもよいと思います。あらかじめ用意されているアプリをカスタマイズするとスムーズです。まずは執行部で『サイボウズOffice』を使い、全校で使おうとなった際、家庭数に応じてより多くのユーザーで利用できる『kintone』に移行するケースもあります。PTAさんのお役に立てるよう、現在、『kintone』で、PTA活動に特化したアプリパックの開発を進めています」(サイボウズ ビジネスマーケティング本部 岩下朗子氏)
オンラインツールを利用しPTA主導で学校の消毒作業を
「自然災害など緊急性のある連絡を確実に保護者に届けること、会員同士が双方向で情報共有や意見交換できる場をつくること、家や職場などどこからでも空いた時間にPTA活動に関われる仕組みをつくり、PTA活動の省力化を図ること。この3つを目的に、オンライン化に着手しました」というのは、宮城県仙台市立八木山南小学校(児童数:281)PTA会長の伊藤宏明氏だ。今年で就任4年目を迎える。

仙台市立八木山南小学校PTA会長
2018年より現職。2児の父
(写真:本人提供)
同校では、19年春から「サイボウズOffice」を導入し、「YAGINET(ヤギネット)」と命名。21年9月現在、PTA会員の約95%が登録している。
オンライン化を進めるに当たり、伊藤氏は、会長就任1年目となる18年秋、ITに詳しい八巻孝氏に相談を持ちかけた。八巻氏はこれに応え、PTA本部のIT担当として運営に関わることになった。
「さまざまなITツールの中から『サイボウズOffice』に決めたのは、PTA活動との相性のよさを直感的に感じたこと、スマートフォンでも使いやすいことが理由です。年額9900円という低コストも魅力でした」(八巻氏)
会員に通信環境アンケートを実施したところ、全家庭が何らかの形でインターネットに接続できるとわかり、「まずはPTA本部のGoogleアカウントを作成し、会員からの問い合わせ窓口としてGmailアドレス、会員情報を収集するためのGoogleフォームを用意しました。フォームのURLは、スマートフォンからもアクセスしやすいようQRコードも併せて『YAGINET』登録の案内プリントを配布し、登録を促していきました。新1年生の保護者には、毎年秋に行われる就学時健診の際に説明し、登録してもらうことで、入学前からさまざまな情報を共有できるようにしています」(八巻氏)
「YAGINET」は、今年で導入3年目を迎える。

(資料提供:八木山南小学校PTA)
「保護者はもちろん、先生や町内会の方々にも登録いただき、PTA本部、委員会、学年、地区、子ども会などさまざまなグループで双方向のコミュニケーションが活発に行われるようになりました。『八木山南小学校にはYAGINETがあるから安心』といった空気もつくり上げることができたように思います。