助産師YouTuberシオリーヌ語る「性教育」のリアル 学習指導要領の「はどめ規定」とは、何なのか?

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「私自身にも無意識に、そうしたことが刷り込まれていたのかもしれません。ほかにも、お菓子を食べた後にそっとウエットティッシュを出してくれるようなホスピタリティーの高い男友達に対しても、以前の私は『女子力高いね』と言ってしまっていたんです。彼が優しいことと、ジェンダーは何も関係ないはずなのに。わざわざ性別を持ち出して褒めたり、おとしめたりする場面はいまだによくありますが、かつてそこに乗っかってしまったことを、今はすごく反省しています」

2度目の結婚をした今は、大貫さんが主に家計を支え、夫が改姓。家事は便利家電に頼るなど、ジェンダーにとらわれず、自分たちらしい暮らしをすることで生活のペースも気持ちも安定しているという。

講演会で。看護師・保健師・助産師としての実体験から、性教育の重要性、必要性を感じてきた

子どもたちにどんな姿勢で向き合うべきか

大貫さんは、思春期保健相談士という民間資格も持っている。いざ子どもから、性に関して相談を受けた時、どう話を聞けばいいのだろうか。

「性の話題は、まだまだ子どもの中でもタブー意識がある中で、大人に相談することはとても勇気のいること。まずは、ありがとうと伝えて、安心させてあげることが何より大事です。アフターピルをもらいに行って怒られたと話す子がすごく多いのですが、相談を受けたときに大人が良いこと、悪いことだと評価をしたり、叱責することは不適切だと思っています。そうすると、勇気をもって相談することすら難しくなる。そもそも子どもの振る舞いを決めるのは本人自身。子どもの行動をジャッジしないというスタンスがすごく大切だと思います」

大貫さんは「最終的には性教育が義務化され、私の仕事がなくなればいい」と話す。子どもへのメッセージを発信するだけではなく、大人への啓発を通し、子どもたちに必要な教育が届けられるよう活動していきたいと話す。

「性教育を受けてこられなかった上の世代の方々にも性教育に関連する本や動画を見ていただき、これはどうやら大事な話だなと気づいてもらうことで、子ども達に伝える重要性が共有できると信じています」

まだまだ、大貫さんの活動は続いていく。

※思春期保健相談士とは、一般社団法人日本家族計画協会が認定している民間資格。さまざまな問題を抱えやすい、思春期の子どもに対し、専門的な知識でカウンセリング、サポートするための資格

(写真はすべて大貫さん提供)

制作:東洋経済education × ICT編集チーム

東洋経済education × ICT

小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事