「全米最優秀女子高生」母語る、子どもの伸ばし方 注目の「非認知能力」を育む具体的な方法とは?

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「言葉にすると難しいことのように感じますが、難しく考えず、子どもたちに、まずやらせてあげること。すぐやり直せる程度の小さな失敗をどんどんやらせてみること。じゃあ試しにやってみようか、という声かけが大事です」

最後に、ボーク氏がこれだけは伝えたいと言って続けた。

「日本の教育は、認知能力を伸ばすという点では世界最高レベルです。日本の先生は、本当にすばらしいと思います。だからこそ、子どもたちにとってゼロから1をつくっていく能力、非認知能力を育むことができたら、それはもう最強ですよね。大きく変えるのではなく、まずは先生たちに、教室ベースで、この能力を育むことに挑戦してもらえたら、と思います。大人たちも、自分の考えがつねに正しいとは限らないということを認め、教室で、あるいは職員室で、家庭で、世代を超えた健全なディスカッションをしてみる。問題解決をしていくという姿勢とプロセスを子どもたちに見せることで、子どもたちの共感力も育まれ、お互いの違いを受け入れ、自分の意見をロジカルに伝える訓練にもなります。そうすることで、自然と非認知能力も育まれていくでしょう」

ボーク氏の描く、新しい教育の未来。そこへ向けた彼女のチャレンジはまだまだ続く。

ボーク重子(ぼーく・しげこ)
ICF認定ライフコーチ、アートコンサルタント。Shigeko Bork BYBS Coaching LLC代表。米ワシントンDC在住。30歳の誕生日前に渡英、ロンドンにある美術系大学院サザビーズ・インスティテュート・オブ・アートに入学。現代美術史の修士号を取得後、フランス語の勉強で訪れた南仏の語学学校で、米国人である現在の夫と出会う。1998年渡米し、出産。子育てと並行して自身のキャリアを積み上げ、2004年にアジア現代アート専門ギャラリーをオープン。2006年、ワシントニアン誌上でオバマ前大統領(当時は上院議員)とともに、「ワシントンの美しい25人」の一人として紹介される。また、一人娘であるスカイは2017年「全米最優秀女子高生」コンクールで優勝し、多くのメディアで取り上げられた。現在は、全米・日本各地で“子育て・キャリア構築”“ワーク・ライフ・バランス”について講演会やワークショップを開催中。著書に『世界最高の子育て』(ダイヤモンド社)、『「非認知能力」の育て方』(小学館)など

(写真はすべてボーク氏提供)

制作:東洋経済education × ICT編集チーム

東洋経済education × ICT

小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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