新渡戸文化、STEAM教育実践の場「VIVISTOP」始動 子どもも大人もワクワク、ドキドキが大切

新渡戸文化小学校 プロジェクトデザイナー、VIVISTOP NITOBEチーフクルー
SOZO.Ed副代表/Microsoft Innovative Educator Expert。ワークショップの手法を用いて子どもたちのクリエイティビティーを育む環境をつくり出す。公立小教員を経て、2020年4月から新渡戸文化学園へ移り、VIVITA JAPANと連携しVIVISTOP NITOBEを開設。2児の父
14年から知的障害のある子どもたちが通う特別支援学校でiPadを積極的に活用し、子どもたちの創造性・表現力を引き出すアプローチを行ってきた海老沢氏は、「STEAMの中でも『A』(Arts)がとても大事。ICTに写真、絵画、デザインなどのArtを取り入れながら、どれだけワクワクしながら学んでいけるのか、そのきっかけを大人(教師)がつくり、新しい価値を生み出していくのがSTEAMなのだと思います。『あえて苦しい目標を立てて頑張り、勝ち残る』といった価値観から脱却し、大人も子どもと一緒に楽しみ、Well-beingの状態で学びを深めていくことが大切だと思います」という。
図画工作の目標は、あ!と自分でひらめくこと
山内氏は、「デジタルクリエイションクラブ」の授業に加え、3、4年生の図画工作の授業も担当する。
「図画工作の目的は、作品を作ることではなく、『作品作りを通してどのように人間性を高め、感性を育んでいくのか』ということ。『単に美しいモノ、きれいなモノを作るためにこの授業をしているのではない』ということを、子どもたちにしっかり伝えます。目標は、あ!と自分でひらめくこと、あ!と周りを驚かせること、あ!とみんなで面白がること。作品の良しあしは関係ありません」
例えば4年生の図工の授業「Paper Movie かみのどうが」では、まず子どもたちが、さまざまな厚さの紙を丸めたり、折ったり、くしゃくしゃにしたりして紙と“遊ぶ”。その後、これらの紙を、iPadにコマ撮りアニメーションが制作できるアプリを加えて思い思いに撮影し、動画作品を完成させた。
「このような活動に、正解はないんです。『これはどうかな?』『これでいいのかな?』など、自分や周りの仲間と探究しながらそれぞれにとって“いい”形を作り上げていく。その環境をつくることで、子どもたちはもちろん、教師である僕自身も『成長型マインドセット』(成長し続ける人が持っている考え方や姿勢)を育てていくことができると考えています。〇か×かといった『結果』よりも、形になるまでの『過程』が大切なのです」
ハピネスクリエイターを目指すツールとしてICTを活用
21年春から講師に加わった海老沢氏は、「デジタルクリエイションクラブ」の授業に加え、小1から小6対象にそれぞれ隔週で行われる「情報」の授業を担当する。
「『情報』というと堅いイメージがありますが、自分を表現するツール、『ハピネスクリエイター』を目指すためのツールとしてiPadを活用する授業を行っています。デジタルクリエイション、プログラミング、デジタルシティズンシップの3つをベースに、デジタルクリエイションはApple社の『Everyone Can Create』を使用。『写真』をテーマに、iPadを駆使して身の回りのものをアングルや見え方を工夫して撮影したり、プレゼンテーションアプリ『Keynote』を活用してデジタルアートを作ったりしています」
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