吉本興業、お笑い芸人「教育動画」配信の本気度 ゆりやん、チョコプラ、渡辺直美など続々登場

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記念イベントで紹介された麒麟・川島明の動画コンテンツ「3分で見たくなる世界の名作」

一方、「オンライン教室」は、生配信の参加型サービスだ。段ボール工作ネタで知られる、もう中学生は「みんなで段ボールアートをつくって遊ぼう!」と題したオンライン教室を配信し、満員になるほどの人気になっているという。

今の子どもたちにとって、動画は身近な存在だ。デジタルネイティブだけあって使いこなすのも早く、知らないうちに動画を見ていたということも珍しくない。時計の読み方や九九は動画で覚えたといったようなデジタルならではの便利さがある一方、「動画の見すぎや依存、有害コンテンツを見たりしないか心配」という声は保護者に多い。「ラフ&ピース マザー」では、広告や不適切なコンテンツが表示されないようになっているが、動画の視聴時間は、家庭でルールを決めるなどしてうまく使いたいところだ。

「1人1台端末」後に必要になるソフトウェアとコンテンツ

ちょうど昨年の今頃、日本の小中学校は新型コロナウイルス(以下、コロナ)の感染拡大によって、教育史上例のない一斉休校措置が取られた。長いところで休校は5月末まで続き、教育現場は大混乱となったが、そのとき保護者をはじめ学校、教育関係者が痛感したのがICTの重要性だった。

だが、この3月には公立の小中学校のほとんどで1人に1台の端末整備が完了する。これから対面授業での本格的な活用が始まるが、コロナや自然災害などで学校が臨時休業になった場合も「学びを止めない」インフラがようやく整ったといえる。そして次に必要となるのは、端末上で使うソフトウェアやコンテンツだ。

コロナ休校中も、家庭にある端末を使ってオンライン授業を行った学校があったが、デジタルコンテンツ作りに苦労した先生、自治体は多かった。慣れない動画の撮影、編集に加え、集中力の維持や理解度を高めるには対面授業とは異なる工夫が必要で、自ら教育YouTuberに教えを請う先生もいたほどだ。今、教育の現場では2024年度にデジタル教科書の本格導入が検討されているが、本来の目的である学力向上や個別最適な学びの実現につなげるには内容も含めた検討がまだまだ必要だ。

そうした今後のデジタルコンテンツの活用という意味でも「教育動画」の可能性は大きい。学校教材としてはもちろん、家庭学習においてもYouTubeコンテンツなどは教育格差の解消にもつながると期待されている。いまだ進化を続ける分野とあって、YouTuberや「ラフ&ピース マザー」のような民間企業が手がける「教育動画」にもさまざまなヒントがありそうだ。

吉本興業が教育事業に本格進出

全国で子ども向けワークショップを展開するCANVAS理事長であり、「ラフ&ピース マザー」のアドバイザーを務める石戸奈々子氏は、当初から大事にしたこととして「面白く学ぶ」「自分のやりたいを応援する」「社会全体で学ぶこと」の3つを挙げる。

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