石角友愛「16歳だった私が、米国で学んだこと」 AIビジネスデザイナー語る「未来の仕事」とは?

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授業中も居眠りする生徒はゼロ。居眠りしていれば授業から追い出されますし、それを3回すれば退学です。授業にはつねに緊張感が漂い、何事にも厳しい。学ぶことに対する真剣さが非常にありました。授業は学ばされるという場ではなく、真剣な意見のぶつかり合いの場であると感じました。

――授業のやり方も違うのでしょうか。

例えば、私の高校では、国語の授業で教科書が存在しませんでした。その代わり、小説や古典をまるまる1冊読まされるのです。例えば、フィッツジェラルドやヘミングウェイの小説、シェイクスピア、ギリシャ神話などの古典とかです。つまり、オリジナルソース(プライマリーソース)を読ませることを大事にしているのですね。授業では、そうした古典を読んで、互いに議論をします。議論に正解はなく、議論すること自体に重きを置いている。古典は英語を読むのも一苦労なので、議論に参加すること自体もとても大変でした。

――勉強以外ではどうでしたか。

寮のルールは厳しかったですね。月曜から金曜まで時間割が決まっており、午前8時から朝礼があります。3回遅刻すれば退学ですから時間は厳守。午後6時半~8時半までは寮の部屋で自習し、9時半までにシャワーを浴び、消灯・就寝は午後10時でした。

外出は厳禁で、午後10時以降に部屋にライトをつけていると先生に注意されます。その時間までに宿題を消化することは難しかったので、ドアの下に毛布を敷き詰めて、明かりが漏れないようにし、デスクライトを最小にして午前1時くらいまで勉強していました。

2年目に別のボーディングスクールに移ってからは、寮のルームメートと生活スタイルが合わず、トラブルもありました。しかしそうしたことから問題解決能力やコミュニケーション能力を身に付けることができて、非常に貴重な経験だったと思っています。

ハーバードビジネススクールの卒業式は娘さんとともに出席。当時の学長に手を添えられている

――日本では今、主体的に学ぶ姿勢が問われていますが、なぜ米国ではそれだけ生徒が真剣に学ぶのでしょうか。

自分で人生を選んできた自負があるからだと思います。自分で学びたいと思い、そこからいろいろな壁を乗り越えて、ここに来たという自負です。それはボーディングスクールや大学、大学院でも同じです。もちろん、それぞれの段階で違ったプレッシャーやキツさはあります。しかし、よい意味で自分を追い込みながら、いろんな経験を積み、最終的に自分のやりたいことを見つけていく。だから主体的に学ぶことができるのです。

――これまでに印象に残っている学びや恩師とのエピソードはありますか。

お茶の水女子大学附属中学校で、3年間担任だった故・花田修一先生に大変お世話になりました。花田先生は私の背中を押してくれるように、いつも「石角なら、大丈夫」と何かあれば励ましてくれました。留学後も手紙のやり取りをして相談に乗ってもらっていましたね。

ボーディングスクール時代にはMr.Gunn(ガン)先生にお世話になりました。アメリカ史の先生で非常に厳しいと評判だったのですが、実際の授業でもマシンガントークで一瞬でも気を抜いたら議論から落ちこぼれてしまうので、とても大変でした。

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