高速バスの"革命児"が挑む、赤字鉄道の再生

ウィラーは北近畿タンゴ鉄道をどう変える?

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老朽化が進む一般車両はエアコンの故障も多く、夏場の苦情の原因となっていた。今後は順次リニューアルされる予定

頼みの綱である観光需要も盤石とはいえない。丹後地区と京都市内を結ぶ京都縦貫自動車道の全線開通が2014年度中に予定されており、開通後は自動車でのアクセスが格段に向上する。鉄道への影響は計り知れない。

現状のままでの事業存続は困難と判断した京都府などの出資者は、同社に「上下分離方式」を導入することを決めた。鉄道事業を線路や施設といったインフラ(下)と鉄道運行(上)に分けて、インフラの維持・管理を自治体が行い、鉄道事業者を車両運行に専念させることで赤字を減らすという仕組みだ。これまでに、三陸鉄道(岩手県)や若桜鉄道(鳥取県)などの導入事例がある。

今回のケースでは、KTRはインフラ保有会社に衣替えし、車両運行とインフラの保守は、自治体から収入保障を得ながら外部の会社が行うという形が採られることになった。車両運行事業には4社が応募し、選考の末、ウィラーアライアンスが選ばれた。「鉄道事業者からの応募はなかった」(京都府交通政策課)という。

ドライブレコーダーを導入

なぜバス事業者であるウィラーが選ばれたのか。そもそも鉄道事業者から応募がなかった時点で、異業種から選ばざるをえなかったわけだが、それだけに安全面の取り組みは最重要項目でもあった。

ウィラーの提案は、外部の専門家による安全評価外部委員会を設置するとともに、社員の継続雇用など現行の安全体制を継承するというもの。さらに、全車両の運転席にドライブレコーダーを取り付けて、日常的にデータ解析を行うという取り組みも評価された。高速バスで導入が進むドライブレコーダーだが、「鉄道ではあまり聞いたことがない」(京都府交通政策課)。まさに異業種ならではのアイデアだ。

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村瀬社長は、高速バスで培ったノウハウをKTRに投入する意向(撮影:尾形文繁)

村瀬社長は「高速バス事業で培ってきたわれわれの強みは、自由な発想ができること、市場を創造するマーケティング力があること、ITを駆使した情報発信力があること。この3つをご評価いただいたのではないか」と語る。高速バスという新しい市場を牽引してきた実行力でKTRも再生してほしいと期待されているというわけだ。

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