熊本発「ウェルビーイング」が教育に必要な理由 今、ICT教育で注目の熊本県がイベントを開催

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
熊本県の熊本市教育委員会と熊本大学教職大学院は、2020年11月8日から15日まで「Kumamoto Education Week 2020」(以下、KEW2020)をオンラインで開催した。コロナ禍の全国一斉休校期間中にわずか2週間でオンライン授業を実現し、現在は学校でのICT活用が全国トップクラスとして注目を集める熊本市。今回のイベントでは、熊本市から世界の教育へ貢献することを目指して、「Well-beingを実現するための教育」をテーマにさまざまなセッションが行われた。ここでは、その一部を紹介する。

世界の教育目標は「Well-being」がテーマに

熊本市教育委員会 教育長 遠藤洋路
(KEW2020より)

熊本市教育委員会の遠藤洋路教育長は開会のあいさつで、「Well-beingとは、個人だけでなく社会全体、経済面だけではなく精神面や安全面など生活の質も含む概念。熊本市では、教育基本計画である教育大綱の中で、このWell-beingを実現するために自ら考え主体的に行動できる人を育むことを目標に掲げている。『OECD Education 2030』の中でも、Well-beingのために自ら考え行動する意思や力をエージェンシー(主体者)という概念で表されている」と話し、世界の教育目標がWell-beingというテーマに向かっていることを説明した。

また、遠藤氏は「コロナ禍の新しい生活様式によって、このようなオンラインイベントを開催することが可能になった。熊本市という地方都市が、世界に向けて発信していくことに大変意義がある」と言い、「このイベントを通じて、熊本市から世界の教育へ貢献していきたい」と意気込みを語った。

(KEW2020より)

イベントでは、実際に熊本市の市立学校で進められている教育実践の報告や、専門家によるセミナー、有識者によるパネルディスカッションが実施され、学校・教育関係者だけでなく、経済産業省や民間企業・団体、YouTuberなどさまざまな専門家が登壇した。遠藤氏は、「多様な関係者とともにつくることで、熊本市が目指す教育エコシステムを実践していくイベントにしたかった」と話した。

「子ども自身の問いを起点とする学び」が必要な理由

14日に開催された「学校教育の未来〜新時代の学びの創造〜」のパネルディスカッションには、東京大学大学院教育学研究科長・同教育学部長 教授/秋田喜代美氏、経済産業省商務・サービスグループ サービス政策課長(兼)教育産業室長/浅野大介氏、東京大学公共政策大学院・慶應義塾大学政策・メディア研究科教授/鈴木寛氏、熊本市教育委員で熊本大学教育学部准教授/苫野一徳氏という豪華なメンバーが参加。熊本市の小・中・高校の実践報告に触れながら、学校教育の未来について活発に意見を交わした。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事