熊本発「ウェルビーイング」が教育に必要な理由 今、ICT教育で注目の熊本県がイベントを開催

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
15日に開催された「Well-beingを実現するための教育」のパネルディスカッション(KEW2020より)

遠藤氏は、「熊本市教育委員会自体が、Well-beingを実現するためのエージェンシーとして行動していきたい」と話し、現在話題を集めている熊本市教育委員会が市立の小・中・高校で実施した校則・生徒指導のあり方の見直しに向けたアンケートの実施について、「自分たちのルールは自分たちで決めて、自分たちが決めたルールはしっかり守る。誰かが決めたルールに従い、要求をするだけという姿勢になってほしくない。教育委員会が校則を決めて下ろすというやり方ではなく、子どもたちと学校が主体となって見直していくきっかけになればと考えている」と説明した。

今村氏は、「クラウドファンディングなどの社会インフラが整ってきたことで、10代でもやりたいことがあれば実現できる時代になってきた。学校の役割は、自分は物事を変えていくことができるということを体験・経験できる場であることが重要」と強調した。

佐藤氏も、「校則だけでなく、さまざまな機会をつくって、子どもたちが学校運営に参加できるようにしていきたい」と述べ、「自分が通う学校やクラスも、子どもの社会。世界的な問題も、子ども自身がリアルにつながっている学校やクラスの問題に置き換えて扱いながら、社会の問題を自分事化するサイクルが往還するといい」と話した。

熊本市教育委員会としても初めての試みであったKEW2020は、機材の不具合によりライブ配信が止まるといったトラブルも起こった。

遠藤教育長は、「役所もこれまでのやり方を変えていて、まずはやってみようという姿勢で進めている。教育委員会がこんなイベントをやって失敗しているという姿を現場の先生に見てもらって、失敗してもいいんだという風土をつくっていきたい」と話した。

遠藤氏は、「身近な社会からよりよく変えていこうとしても、例えば、小学生が地元の商店街をよみがえらせるようなことは簡単には実現できないかもしれない。しかし、できないなら失敗ではないし『今できることはこの程度』に収まるのでもなく、目指したい方向へ向かって、失敗しながらも前を向いて進んでいくことが重要だと考えている。熊本市教育委員会が、世界の教育に貢献するという大きな目標を掲げているのも、その姿勢を示していくためである」と述べた。

熊本市教育委員会は、KEWを今後も毎年開催していく予定だという。

アーカイブ動画はこちら

(写真:注記のない写真はiStock)

制作:東洋経済education × ICT編集チーム

東洋経済education × ICT

小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事