ネットの高校「N高」、つくばにS高つくる理由 オンラインとリアルの学びをうまく使い分け
「S高の本校があるつくば市の最寄り駅であるつくば駅は、東京の秋葉原駅からつくばエクスプレスを使えば、1時間かからずに着く首都圏からのアクセスがよい場所。また、つくば市は筑波大学や、さまざまな研究機関がある筑波研究学園都市として有名で、宇宙開発やロボット開発をはじめ、多種多様な研究が行われている。大自然に囲まれた場所でもあり、筑波山のふもとにあるS高は校舎も広大。スクーリングでは、そんなつくば市の魅力を生かした課外活動を予定している」
N高に対し、S高という校名が興味深いが、N高とS校の2つの高校に違いはない。パソコン、スマートフォン、タブレットで日々学習し、学びの内容も同じという。スクーリングのみ、在籍するそれぞれの学校で参加するといった具合だ。
来年4月からは、これまでの映像学習で学ぶ「普通科スタンダード」に加え、最新のVR技術とデバイスを活用した「普通科プレミアム」も開設される。「普通科プレミアム」では、生徒はVRゴーグルを装着して学習空間にワープし、仮装現実の中で参加型、体感型の学習ができるという。

VR空間の校舎は、建築家の隈研吾氏がデザイン。生徒はアバターになってVR空間上の教室で授業を受けるのだが、ほかの生徒が授業を受けていた際の動き(モーション)のログが残るため、周りに仲間の存在を感じながら学ぶことができるという。
さらに、ネット上で少人数のグループワークによって学習を進める「オンライン通学コース」も開設される。
これまでも、映像で学ぶネットコースのプラスアルファの学びとして、通学コースがあった。週1日、3日、5日と通学する頻度を選べ、自分のライフスタイルに合わせて学習プランを組み立て、全国19カ所にあるキャンパスで学ぶことができる(通学プログラミングコースは東京・代々木と大阪・江坂のみ)。それに対し「オンライン通学コース」は、「オンライン」キャンパスに集って少人数の対面形式で学ぶコースになっている。
“ネットの高校”として誕生したN高は、VRのような最新の技術も取り入れながらネットとリアルの学びをうまく使い分けているといえる。今、個別に最適化された学びがキーワードとなる中で、こうした学び方の選択肢の多様化が、子ども一人ひとりの可能性を広げることにつながっていくのではないだろうか。
(写真はすべて角川ドワンゴ学園提供)
制作:東洋経済education × ICT編集チーム
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