ICTで「子どもの個性が浮き彫りになる」理由 福島県の小学校に見る「ICT教育のリアル」
同校の充実したICT環境を可能にしているのが、ICT支援員の存在だという。児童や保護者へのID・パスワードの配布から、授業でICTを使う際のバックアップまでICT支援員が担う。そのぶん、教員は授業運営に注力できるというわけだ。
休校期間「オンラインで友達に会える!」と児童の顔が輝いた
10年かけて積み重ねられてきた、駒ケ嶺小学校のICT教育。その威力は、新型コロナウイルスの感染拡大による休校期間中にも存分に発揮された。
「休校期間中も、学習支援ソフトを通じて課題の提出や添削を行っていました。メッセージをやり取りできるので児童一人ひとりの状況を把握しやすく、不安がっている子を励ますなど、心のケアにもつながりました。中には、家でできる体操の動画をアップしている教員もいましたよ。テレビ会議システムを使った授業では、オンライン上でクラスメートが集まることができ、児童の顔が途端に輝きだしたのが印象的でした。家庭学習でわからなかった部分も、顔を見て話すとすんなり理解できた子もいましたね。改めて、ICT教育の環境が整っているありがたみを実感しました」

教育現場を支え、児童のポテンシャルを引き出すICT教育。新地町はその先進的な取り組みにより、2020年5月、「日本ICT教育アワード賞」を受賞した。
「町全体で取り組んできた10年間の積み重ねが、受賞につながったと思います。諸先輩方や地域の方、そして児童たちに感謝の気持ちでいっぱいです。ICT教育は、新地町の教育のシンボルでもあります。コロナ禍のような不測の事態においても、ICTが大きな手助けになる。そのありがたみとともに、誇りと責任を感じながら、これからさらにしっかりと活用していきたいですね」
(注記のない写真はi-stock)
制作:東洋経済education × ICTコンテンツチーム
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