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小田急vs西武、50年ぶり「箱根山戦争」のリアル。日本有数の観光地におけるインバウンド囲い込みを目指し、両社が積極投資を計画

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バスをめぐる対立では、小田急グループの箱根登山バスが独占的に運行していた路線に、西武グループの駿豆鉄道バス(現在の伊豆箱根バス)が乗り入れを試みたことが火種となった。対立が激化すると、西武側は同グループが建設した自動車専用道路に、箱根登山バスの通行を物理的に阻止するという強硬手段に出た。

芦ノ湖の遊覧船に関しても、駿豆鉄道が独占的に運行していたところに、小田急側が後から参入した。西武グループの主要な港である元箱根港のすぐ近くに、新しい桟橋を建設し、丁々発止の顧客争奪戦を繰り広げたのである。

この箱根山戦争は1968年ごろまでに収束し、現在は箱根エリアに両グループのインフラが共存する形となっている。

小田急は主に新宿方面からのアクセスを担い、小田原から箱根湯本を経て、箱根登山鉄道、箱根ロープウェイ、箱根海賊船といった「ゴールデンコース」を形成する。今や多くの観光客が利用する人気ルートだ。一方、西武は主に熱海・三島方面からのアクセスを担い、伊豆箱根バス、駒ヶ岳ロープウェーなどを通じた独自の路線を築いている。

箱根での事業展開強化、それぞれの戦略

現在、小田急と西武はともに、明確な経営戦略に基づき、箱根での事業展開の強化を構想している。

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