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クリス・パッテン卿「アメリカが誇る"ソフトパワー"は解体しつつある」「今後、アメリカ主導の国際秩序を再構築するには時間が必要だ」
しかし、2期目のドナルド・トランプ大統領をみると、同政権は公然と、そして意図的にアメリカのソフトパワーの基盤を解体しつつある。
例えば、トランプは民主主義が自分に有利に働くときだけ民主主義を信じているようで、民主主義制度がむき出しの多数主義に堕するのを防ぐためのチェック&バランス(牽制と均衡)については、ほとんど理解しておらず、また顧みようともしていない。
戦後の歴代アメリカ大統領とは異なり、トランプ大統領は権威主義的支配者の本能を持ち、それに従って政治を行っている。
国際舞台では、アメリカの伝統的な民主主義的同盟国よりも、ロシアのプーチン大統領のような人物と付き合う方が楽なようだ。
周囲にはおべっか使いの高官たち
さらに悪いことに、トランプ大統領は、彼が聞きたいと信じていることを何でも熱心に口にするおべっか使いの高官に囲まれている。時折開かれる閣僚会議では、政権高官による卑屈な態度が目につく。 その卑屈さには驚くばかりである。代表的な例は、マルコ・ルビオ国務長官が極右政党「ドイツのための選択肢」(AfD)を過激派政党に指定したことで、ドイツを偽装独裁国家と不名誉な表現をしたことだ。
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