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経産省の再エネ政策キーマン「洋上風力では投資環境整備に全力」「水素支援策では3兆円の枠に30近い事業が応募」

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──世界的に見ても、エネルギー情勢は大きく変化しています。

3月にアメリカで開催された「CERAウィーク」と呼ばれるエネルギー関連の会議で、アメリカの投資ファンドのカーライルが「ピークオイルトレード」というリポートを発表して注目された。

いとう・さだのり/1971年生まれ。東京大学法学部卒。1994年通商産業省(当時)入省。経済産業省製造産業局自動車課長補佐、内閣官房原子力発電所事故による経済被害対応室企画官、原子力損害賠償支援機構審議役・運営委員会事務局長補佐、岸田文雄内閣総理大臣秘書官などを歴任。2024年11月から経済産業省・資源エネルギー庁・省エネルギー・新エネルギー部長(撮影:岡田広行)

国境を越えてエネルギーを取引することのリスクが高まっているとの指摘だ。今後、エネルギーについても、ある程度地産地消になっていくのではないか。脱炭素という側面のみならず、エネルギーセキュリティの観点からも、再エネや原子力の重要性が高まっている。(地政学的リスクが現在ほど高まっていなかった)第6次エネルギー基本計画策定時には、原子力を進めるべきかについて大論争があった。

脱原発を主張する有識者はコスト論を展開した。その一環として再エネを推進すべきだと。今回の第7次計画の策定時には、その裏返しとなり、洋上風力発電はコストが高すぎるのでやめるべきだという有識者もいた。

しかし、原発か再エネかという二項対立のフェーズは終わった。脱炭素電源のニーズが増え、電力需要が伸びていく中で、政策を総動員しなければならない。

洋上風力では海外からの関心が高まる

──洋上風力発電についてはどのように取り組んでいきますか。

なぜコストが上がっているかというと、部品や部材をすべて海外から輸入しているからだ。世界的なインフレーションと円安という二重のインパクトを受けている。それを克服するための方策は、国内のサプライチェーンをしっかり構築していくことだ。実は今、欧米の風車メーカーは日本市場に注目している。

──どういうことでしょうか。

アメリカのトランプ政権は洋上風力発電を敵視しており、支援措置を撤回している。そのため、アメリカでは今後4年間ビジネスが望めないことが明らかになった。そこで日本への関心が高まっている。

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