ドイツでは2月23日に総選挙が実施された。事前予測どおり、最大野党である中道右派のキリスト教民主同盟・同社会同盟が第1党と返り咲いたため、同党を中心に組閣協議が行われることになるだろう。
ライバル政党である中道左派の社会民主党(SPD)と大連立を組むとの観測が有力だか、それ以外の政党と連立を組む、あるいは少数与党を選択する可能性もなくはない。
いずれにせよ、組閣協議は数週間から数カ月を要するだろう。新内閣が発足するのは、早くても初夏だ。そうなると、新内閣による政権運営が軌道に乗るのは、早くて年後半ということになる。新年度予算が執行されるのはさらにその後であり、順調に行っても夏以降のことだろう。少なくとも年の半分以上、財政面から景気を刺激することは不可能である。
今年もドイツ経済はマイナス成長となりそうだ
こう整理していくと、やはり今年もドイツ経済はマイナス成長が続くと考えたほうが自然である。仮にプラス成長になったとしても、その幅は非常に低い水準になる。ドルベースでの名目GDPでは確かに日本を追い抜き、その差を拡げているドイツだが、その内実は極めて厳しい。少なくとも、ドイツ経済が好調という評価は当たらない。
日本はドイツを嘲るのではなく、他山の石にしなければならない。エネルギー政策然り、物価の安定に関しても今一度、きちんとその重要性を理解する必要がある。少なくとも、デフレを不景気と読み替えて財政拡張路線を歩むことは、かえって日本の価格競争力を低下させ、日本の輸出体力を削ぐ方向に働くことを肝に銘じるべきではないだろうか。
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