親や祖父母のスマホでゲーム課金も、夏休み要注意「子どもの消費者トラブル」 サプリや美容系商品の「定期購入」にも落とし穴
オンラインゲーム課金に次いで多いのが、定期購入だ。全世代でトラブルが増えている領域だが、2022年度は小中高生の相談が2636件に上った。男女比はおおよそ半々で、サプリメントのほか、化粧水や美容液などの化粧品の定期購入に関するトラブルが多いという。
「よくネットで『お試し初回無料』など手軽に試せるようにうたった広告から誘導され、小さく記載された『定期購入』の文字に気づかず注文してしまい、後になって一定回数以上購入しなければいけない契約だったことを知る場合が多いです。中高生の女子だけでなく、男子も美容系の商品を購入するケースが見られ、500円くらいならお小遣いの範囲で買えるからと購入する小学生もいます」
通販はクーリングオフが使えないため、未成年者の場合には「未成年者契約の取り消し」を主張して事業者側と交渉するが、高校生でも18歳成人の場合はその主張ができないのでより注意が必要だといえる。
このほか、ライブ配信の投げ銭なども、数は多くはないものの、相談を寄せられることがあるという。
ちなみに消費者トラブルの引き金となりやすいデバイスとして圧倒的に多いのはスマホで、次いで家族共用のタブレット端末となっている。GIGAスクール構想で配布された1人1台端末を経由したトラブルもゼロではないが、ほとんど見受けられないそうだ。
子どもたちが「何に興味を持っているのか」を知ること
夏休みは子どもの自由な時間が増えるため、やはりオンラインゲーム課金には注意してほしいと山之内氏は呼びかける。
「保護者の皆さんには、まず今の子どもの周辺には課金要素がある魅力的なオンラインゲームがたくさんあることを意識していただきたいです。また、子どもたちはお金を使っている感覚に乏しく、お金の価値を考えずに課金することが多いため、普段からお金の価値について子どもと保護者で話し合ってルールを決めていただきたいと思います」
とくに低年齢の場合は、プラットフォームごとにペアレンタルコントロールを設定することも欠かせない。「決済の際にパスワードが必要な設定になっているか、課金時の通知メールが保護者にきちんと届くのかを確認することが大切です」と山之内氏は助言する。また、祖父母の家に遊びに行った際に、祖父母のスマホを使って高額課金してしまう場合もあるそうで、帰省の予定がある家庭は注意しておきたい。

(写真:Xeno/PIXTA)
SNSを見る時間が増える中では、定期購入についても気をつけたい。子どもたちは欲しい商品を自分から見つけにいくというよりも、ネット広告を見て気になり購入するケースが多いからだ。