京セラ、アメリカ子会社「30年越し統合」の成否 自主性重んじたがバラバラなまま、挽回可能か

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京セラは2020年、アメリカの電子部品子会社AVXを完全子会社化した。1990年に完全子会社化した後、1995年に再上場し、その状態が長く続いていた。なぜ今、再び完全子会社化に踏み切ったのか。

京セラAVX
アメリカの子会社AVXは京セラ傘下入り後も長い間にわたり距離が遠く、統合効果の課題感が募っていた。(写真:京セラ)

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30年越しの統合は期待する成果を上げられるか――。

京セラは2020年3月、アメリカの子会社である電子部品メーカー・AVX(現KYOCERA AVX)を完全子会社化した。30年越しの経営統合の背景に、何があったのか。

1972年設立で、ニューヨーク証券取引所に上場していたAVXが、株式交換で京セラの完全子会社になったのは1990年のこと。当時、売上高の9割が日本国内向けだった京セラの電子部品事業にとって、世界展開するにはパートナーが必要だと、京セラ創業者の稲盛和夫氏は考えた。

得意とする顧客の業界も分かれており、AVXは売り上げの半分程度が自動車向けの一方、京セラはスマートフォンや家電などの民生品向けに強い。

ところが、両社の交流という意味では、やや遠いまま30年が過ぎていった。京セラとAVXのかかわりは、長らく、京セラがつくった電子部品の海外販売会社といった存在にすぎなかった。にもかかわらず、京セラの立場から見ると、製品によっては「AVXは思ったように販売してくれない」という感覚も生まれていた。

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