稼ぎ柱の投資不足、京セラの後悔と勝ち筋の行方 部門長が語る停滞の理由、失敗のトラウマも

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

京セラの稼ぎ頭である「コアコンポーネントセグメント」では、6年間で7割の増収を目指し、設備投資を積極化する。

京セラの製品
京セラの有機パッケージや半導体装置向け部材には高いシェアを握るものも多い(記者撮影)

特集「稲盛後の京セラ」の他の記事を読む

「ここ2年間の半導体業界の大騒ぎに当社は追いつけなかった。もっと投資すべきだった。つねにぎりぎりで投資してきたが、事業をあまり伸ばせなかったのは、生産設備を準備しておく考え方が足りなかったからだと分析している」

そう振り返るのは、京セラでセラミックパッケージや有機パッケージ、半導体製造装置向けのセラミック部品などを手がける、コアコンポーネントセグメントのトップである触浩取締役だ。

半導体の好況が追い風に

このコアコンポーネントセグメントは京セラの中でも売上規模が大きく、かつ収益性が高い。半導体市場の好調を受けて業績は絶好調だ。2023年3月期の売上高を前期比10%増の5850億円、セグメント利益は同37.8%増の850億円になると見込んでいる。

セグメントの中心製品は、次の3つだ。

まずセラミックパッケージ。半導体や電子部品を保護するための入れ物だ。小型で薄くて丈夫なため、スマートフォンなど小型の電子機器に搭載されることが多い。京セラが手がける中間以上の性能を持つ製品におけるシェアは8割を誇る。

次ページ市場は拡大する見込みだが
関連記事
トピックボードAD