元SMBC日興幹部「逮捕は想像もしていなかった」 元エクイティ本部副本部長のアヴァキャンツ氏を直撃

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
インタビューに答えるアヴァキャンツ氏。逮捕されたのは2022年3月4日。「このタイミングで逮捕されるとは想像もしていませんでした」と振り返った(記者撮影)

特集「終わらない相場操縦事件」の他の記事を読む

「自分が事件の関係者になったことに一番驚いた」。金融商品取引法違反(安定操作)に関与した疑いで逮捕・起訴されたアレクサンドル・アヴァキャンツ被告(45)はそう話す。
SMBC日興証券では執行役員エクイティ本部副本部長として働いていたが、2022年3月に契約延長を保留、同年10月に事実上解任された。逮捕される前の聴取の様子や「安定操作」という違法行為に関与したとされた事件への考えを語った(インタビューはすべて日本語で行った)。

――2022年3月4日に逮捕されたときはどんな状況でしたか。

夜8時ぐらいでした。自宅のインターフォンが鳴って、「誰かな?」と思って出たら検察官でした。その場で逮捕の話はなく「ちょっといろいろ話を聞きたい。だから一緒に行きましょう」と言われました。車に乗せられて検察まで行き、庁舎に入ったところで「逮捕状が出ています。これから執行します」という話がありました。

――逮捕されるかもしれない、と思っていましたか。

まったく思っていませんでした。

そのときも家族と冗談で「もしかして逮捕されるんじゃない?」と言っていたぐらいです。実際に逮捕されてすごく驚きました。私が検察に連れていかれている間に、自宅では東京地検やSESC(証券取引等監視委員会)の職員が家の中をくまなく調べたそうです。

実は3月8日からプライベートで海外に1週間ほど行く予定がありました。検察にも事前に予定は報告していて、「わかりました。では3月7日に一度検察へ来てください」と言われていたのです。数日後に検察との面会の予定まで入れていたので、このタイミングで逮捕されるとは想像もしていませんでした。

当時、会社側も含めて誰も私が事件の当事者になるとは思っていませんでした。SESCや検察の捜査が入ったときにも上司から「アレックスが顧客に対応してください」と言われていて、それぐらい私はこの件に関係がないと思われていたのです。

検察が示した共謀の“証拠”

――起訴内容について、違法な取引だという認識はありましたか。

次ページSESCや検察の取り調べの様子
関連記事
トピックボードAD