「世界景気の後退は浅い」欧米で台頭する楽観論 日本のインフレ率も1月以降はピークアウトへ
IMF(国際通貨基金)は1月30日、世界経済見通しの改訂版を公表した。2023年の世界の実質経済成長率予測は、+2.9%と2022年の+3.4%より後退するものの、昨年10月の改訂版と比べると0.2%ポイントの上方修正となった。IMFの見通しは四半期ごとに改訂される。
足元のマーケットでは最近、景気の先行きに対する楽観論が増え、株式市場は堅調な足取りとなっている。欧米での景気後退が確実視される2023年だが、楽観論が台頭しているのはなぜだろうか。
マーケットの楽観論の背景とは
主要国ごとの見通しは下記を見てほしい。
IMFが2023年の世界見通しを上方修正した理由の1つは、中国の影響だ。中国は昨年末から厳格なゼロコロナ政策を解除し、経済活動の正常化に舵を切った。それによる成長率の底上げが予想されている。
こうした中国のグッドサプライズの効果を主因として、新興国全体の見通しは0.3%ポイントの上方修正となった。中国以外ではASEAN(東南アジア諸国連合)が世界的な工業生産減速の影響から若干の下方修正となったものの、中南米では内需の底堅さからブラジルが0.2%ポイント、メキシコが0.5%ポイントの上方修正となった。
結果、新興国の経済成長率見通しは2022年の+3.9%から2023年の+4.0%へと拡大し、わずかな幅ではあるものの、先進国グループとは反対に経済成長を加速させる見込みだ。
問題は、先進国グループである。
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