中国共産党の第20回全国代表大会に関する報道から判断するに、異例の3期目入りを果たした習近平総書記(国家主席)は自らに権力を集中し、党による社会統制を強めようとしている。そうした環境の中で、経済発展の成功は維持できるのか。私は何カ月と、中国共産党がゼロコロナ政策や民間企業の弾圧といった問題政策の修正に動く日を待っていたが、その可能性は遠のきつつある。
政策転換の兆しは乏しい
数カ月前、中国のある高官との会合で私は冗談めかしてこう言った。三十数年にわたって私が中国を「理解」できていたのは、まぐれだったかもしれない。なぜなら近年の政策にはさっぱり理解できないものがあるからだ──。あのような政策が採用された理由を合理的に説明するには、「反習派」を消す策略の一環だったと結論づける以外になさそうだ。最高指導部が習氏の忠臣で固められた以上、対抗勢力の追放が進んだのは間違いなく、政策転換の兆しは極めて乏しいものとなっている。
党大会の閉幕を受けて近く巨大なサプライズでも起こらない限り、習氏と中国共産党が直面するジレンマは一段と深まることだろう。
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