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「高齢タクシードライバー」の増加を止める抜本策 人手不足で高齢化に拍車、「70〜74歳」が最多に

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有力機関による調査・研究リポートからビジネスに役立つ4つのトピックをえりすぐり、そのエッセンスを紹介。

①増加する高齢タクシードライバー
「70〜74歳」が最大のボリューム層

・ニッセイ基礎研究所「高齢タクシードライバーの増加」(2022年9月20日)

・ニッセイ基礎研究所 生活研究部 ジェロントロジー推進室兼任 准主任研究員 坊 美生子

客待ちをするタクシーの列
個人タクシーには10年前に定年制(75歳)が導入されたが、全体の9割を占める法人タクシーにはない(写真:PIXTA)

高齢のタクシードライバーが増えている。タクシー業界ではもともと、定年退職後に転職するなど、中高年で就業する人が多かったが、近年はドライバー不足の慢性化によって高齢化に拍車がかかっている。

全国ハイヤー・タクシー連合会の傘下に入る法人タクシーのドライバーで最も多い年齢層は70~74歳で、全体の21.4%を占める(2022年3月)。75歳以上も8.1%を占め、人数は2万人近い。

近年、ドライバーの心臓疾患や脳疾患など健康起因の事業用自動車の交通事故が増加傾向にある。このうちタクシーについて見ると、19年は56件(前年比10件増)で、3年ぶりに前年を上回った。高齢ドライバーの健康管理が、より重大な課題となっているといえる。

安全対策として、①現場での健康管理②安全教育③負担の少ない勤務体系の整備④最新技術の活用⑤若年者の採用拡大などを強化することが必要だ。

中期的には、タクシードライバーに適した年齢幅について議論する必要がある。法人タクシーのドライバーの上限年齢については法令で定めがない。「定年制」の導入が最も抜本的な対策であると筆者は指摘する。

②宇宙ビジネスを生かすまちづくり
地上の宇宙港からロケットを水平打ち上げ

・野村総合研究所「宇宙ビジネスを活用した『まちづくり』の可能性と事業機会」(2022年9月)

・野村総合研究所 アーバンイノベーションコンサルティング部 伊藤伸之輔、浦田瑞生、原田悠貴

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