参議院選挙が終わった。今後3年間は国政選挙のない「黄金の3年」とされる。とはいえ、エネルギー・食料価格の上昇による物価高やロシアのウクライナ侵攻に始まる安全保障への懸念、さらに新型コロナの感染再拡大など、わが国の経済・社会をめぐる情勢は危機モードが続く。加えて、高齢化に伴う社会保障費の増加や労働人口の減少、南海トラフ地震をはじめとする巨大災害リスクなどこれからの危機もある。こうした危機に対処しつつ、新たな成長につなげる構造改革が求められる。
当面の課題は物価高対策である。選挙期間中は消費税減税が争点の1つになっていた。もっとも、今回の物価高はエネルギー・原材料などの輸入価格の上昇に起因する「コストプッシュ型」であり、一律な需要喚起はかえって物価の高騰を助長しかねない。これまでの需要偏重の経済対策からの転換を図るべきだ。
給付などの支援は低所得層など生活が困窮する世帯に重点化する一方、中長期的な視点から供給サイドに働きかける政策が必要だ。具体的には、生産性の向上による成長促進と、原油依存からの脱却を促す経済のグリーン化(GX)であろう。
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