在日米大使館も後援「日本の女子中高生を応援するプログラム」とは何か? 元・宇宙飛行士ほか、一流のメンターそろう理由
「各国それぞれにジェンダーバイアスはありますが、とくに日本の女性は育っていく過程のさまざまな場面で、『娘だから、女だから、子どもだから』と言われることが明に暗にあるように思います。そのメッセージにさらされ続けることで、本人がそれを意識せずとも、周りの期待をどんどん内面化していく場合が少なくありません。結果、進路に迷ったり、精神的に苦しむケースも多く見られます。私は、都内の女子大学で教壇に立っていますが、実際に学生に接していても、学生はまじめで努力家のよい子が多く、指示を待って、正解を知ってから行動したがる傾向が強いように見えます。周囲の期待に応えたい、失敗したくないという思いが強いあまりに、本当の自分の希望を考える余地が減っているように思います。このままでは、正解のない世の中で、生き抜く力が弱くなってしまうのではないか。私たちは、次の世代の女性が、自分らしく生きるための一助になりたいと思っているのです」

(写真:GUP提供)
これまでGUPには多くの女子中高生が参加してきたが、どのような反響があったのだろうか。GUPのホームページには、卒業生から「GUPの魅力は、自分自身にとことん向き合い続けられるところ。さまざまなロールモデルとの出会いがあった。みんなも、自身の背中を押してくれる人とぜひつながってほしい」「社会経験が豊富なスピーカーやメンターの話を聞くことができる。同世代の参加者たちとディスカッションし、自分の意見を共有して、視野を広げることができた」などの、熱く感動を語った声が寄せられている。
「私たちは最初から優秀で、環境が整っており、目標が明確にある子を選抜したいとは思っていません。何かしたいという気持ちがあっても、やり方がよくわからない。あるいは、目標があっても難しく思えて行動に移す勇気がない。でも、自分を変えたい。そんなもやもやした思いを持っている子たちに、ぜひ来てほしいと思っています。GUPに参加し、ほかの参加者と話すことが、自分の殻を破るきっかけになるかもしれません。私たちは、GUPが中高生だけではなく、メンターとして参加する社会人にとっても、『自分のことがわかった』『次の一歩を踏み出すことができた』そうした感想を持てる場であり続けたいと思っています」
GUPは今年も8月から全5回のプログラム「Girls Unlimited Program Summer 2022」を開催する。プログラムはすべてオンラインで行われ、対象者は12~18歳までの女子中高生(性別は自認)。参加費は無料。定員は30人程度で、400字程度のエッセー選考で参加者が決められる。今回のSummer Programの応募の締め切りは22年7月17日(日)。プログラムはスタンフォード大学の「ライフデザイン」メソッドをベースにしたワークショップを通じて行われる。ほかに、スタンフォードオンラインハイスクール校長の星友啓さんをはじめ、各界のフロントランナーが登壇するセミナーも随時開催される。