在日米大使館も後援「日本の女子中高生を応援するプログラム」とは何か? 元・宇宙飛行士ほか、一流のメンターそろう理由

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「GUPは、在日米大使館広報文化交流部が立ち上げました。米国務省人物交流プログラムの過去の参加者である日本人同窓生が、米国で得た留学・研修経験を次世代へのメッセージとして伝え、日本の女子中高生のエンパワーメントと、リーダーシップ醸成を促すことを目的としたのが始まりです。これまで年2~3回の頻度で開催しており、各界で活躍するリーダーや研究者、教育者など、人物交流プログラムのOB、OGの方々にメンターになっていただき、講演やディスカッション、ワークショップなどを開催しています」

元・宇宙飛行士の山崎直子さんが参加された回での様子
(写真:GUP提供)

メンターには、第一線で活躍する社会人が多く協力している。

「キーノートスピーカーとして、元・宇宙飛行士の山崎直子さんには、17年以来、毎年欠かさずご登壇いただいています。宇宙から俯瞰して考えるということを、メンティーである女子中高生や、メンターたちにも伝えていただいているのです」と、代表の並木さんは語る。

並木さん自身も02年にフルブライト奨学金の大学院留学プログラムを経験し、世界に羽ばたいた1人だ。メンターの共通点は、何らかの形で米国に関わりがあること、そして元は進路に迷う中高生だったことである。ごく少数だが男性メンターも参画しているのが、ほかのガールズエンパワーメントプログラムにはない特徴なのだという。皆、GUPの活動を通じて、次世代を担う女子高生たちが多様な価値観に触れ、自身の夢や目標を見いだし、人生の新たな一歩を踏み出すきっかけにしてほしいという思いで、活動を続けている。

オンラインツールを介して、ディスカッションを行うガールズと、メンターたち
(写真:GUP提供)

「活動を始めたのは、職場や家庭以外につながりを持ち、世界を広げたい。さらに私たちも先人たちの恩を受けて成長し、今の仕事をする環境に至っていることを考えると、この恩を次世代につなげていきたい。そして自分の成長のためにも、楽しみながら社会的な貢献ができるといい。そう思ったのがきっかけです。私たちは多くの女子中高生たちに向けて、留学を含めて、将来のことを考えるチャンスを提供したいと考えています。とくに地方に住み、新しい活動へのきっかけがなかなか持てない女子中高生たちに参加してもらえたらうれしい。実際、参加者は全国の各地域に広がっており、1回のプログラムで30~40人が参加しています。コロナ禍ではオンラインに切り替わりましたが、オンラインならではの利点を生かした企画も充実し、参加人数は全体で200人を超えました。これからも全国の女子中高生たちの皆さんが、将来の人生を考えるヒントを得られる場を提供していきたいと思っています」

日本社会に根強いアンコンシャス・バイアス

今、日本でも、世界でも、女性が社会的に活躍するための環境づくりが活性化している。2015年には動画投稿サイト「YouTube」が3月8日の国際女性デーに合わせ、若い女性たちに応援メッセージを発信する「#DearMe」(あの頃の私へ)というキャンペーンを展開。当時のミシェル・オバマ米大統領夫人やキャロライン・ケネディ駐日米大使らの動画「#DearMe」は、GUP内でも紹介され、大いに参加者をインスパイアしたという。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事