ドコモが大量閉店へ、「ショップの潰し方」の全貌 代理店を撤退に追い込む「3つのステップ」

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このインセンティブの条件の厳格化を如実に表す数字がある。約370のドコモショップを運営するドコモ最大の代理店・コネクシオの2022年3月期決算(2021年4月~2022年3月31日)の期初計画と、このほど発表された結果との乖離だ。

2021年3月期に営業利益106億円稼いだ同社は、ドコモが2021年3月下旬からオンライン受付専用の割安プラン「ahamo」を投入した影響などの逆風を考慮し、2021年4月に発表した2022年3月期の期初計画で営業利益予想を前年度比9.1%減の97億円としていた。

だが、コネクシオは2022年1月、営業利益予想を期初計画比からは17.5%減、対前年度比では25.0%減となる80億円へと大幅に下方修正し、ドコモの代理店関係者の間で大きな話題になった。結局、4月27日に発表した実際の結果は下方修正とほぼ同じ営業利益80億円強となった。

コネクシオが5月12日に開いた決算説明会で、直田宏社長は当初の見通しとのズレについて「通信キャリア(ドコモ)の手数料体系変更による手数料収入の減少が主な原因だ。条件悪化のスピードと規模感は想定を大きく上回るものになった」と率直に語った。

代理店の独自商材を制限

ステップ2は、代理店が生き残りをかけて取り組む独自商材・サービスへの制限や介入だ。代理店はインセンティブの減収を補うため、あの手この手で独自の収益を増やそうとしてきた。

代理店が期待をかけていた独自収益の目玉の一つに「ENEOSでんき」という電力小売りの代理販売がある。ショップに来た客の電気契約を「ENEOSでんき」に乗り換えさせれば、ENEOSから手数料がもらえるものだ。代理店関係者によると「1契約の獲得あたり8000円ほどもらえる好条件」という。前出のコネクシオも2021年7月から独自収益の目玉として「ENEOSでんき」の取り扱いを始め、好調だった。

だが、ドコモが2021年12月下旬以降に突如として、2022年3月から「ドコモでんき」を開始して電力小売りに参入することを代理店に通達。ドコモから「ドコモでんき」の販売への注力を求められた代理店は、「ENEOSでんき」の取り扱いを断念せざるをえなくなったという。

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