企業から引く手あまた「脱炭素人材バブル」の実態 業務委託契約や高収入ポジションの需要が爆増

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さまざまな業界がのどから手が出るほど欲しがる、SDGsとESG関連の人材。企業側が求める背景と実態に迫る。

脱炭素分野の人材の引き合いが急速に増えている(写真はイメージ)

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年収1000万円以上の求人は2019年比でおよそ2倍、プロ人材の紹介依頼は10倍超――。

コロナ禍で業績が落ち込み、採用を控える企業も少なくない中、あらゆる業界から引っ張りだこの職種がある。

それはESG(環境・社会・企業統治)やSDGs(持続可能な開発目標)にかかわる人材だ。中でも脱炭素の分野における職務経験者や専門知識を持つ人材は、直近2年間で引き合いが急速に増えている。

グローバル人材に特化したエンワールド・ジャパンによると、2021年に募集があったSDGsとESG関連の職種の求人数は、2019年比で1.39倍に増えた。そのうち年収1000万円超の求人数は1.87倍に拡大しており、社内の有力ポジションで人材を求める動きが活発だ。「スキルや条件を満たす人材がまだ市場に少なく、今後も売り手市場が続くと予想される」(同社エグゼクティブ・プラクティス・リーダーのロバート・イングランド氏)。

製造業以外からも依頼が爆増

業務委託での需要に目を向けると、そのバブルぶりがいっそう際立つ。パーソルキャリアが運営するプロ人材紹介サービスの「i-common」では、2021年のサスティナブルに関連する紹介案件数が2019年比で10.4倍に拡大。そのうち約4割を占める、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)にかかわる案件の伸びは著しい。

背景にあるのが、2020年10月の菅義偉前首相による2050年カーボンニュートラル達成宣言、そして2021年6月のコーポレートガバナンス・コードの改定によりESG情報の開示が求められるようになったことだ。

こうした流れを受け、CO2(二酸化炭素)排出量の算定などを支援する環境コンサルティング会社のウェイストボックス(名古屋市)では、2020年10月以降、月当たりの問い合わせ件数が一気に従前の20倍超に激増したという。

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