NTT、澤田社長「代表権ある会長」で残留の異例人事 グループ再編に功績、社長退任で始まる「院政」
NTTが首脳人事を固めた。5月にも現社長の澤田純氏が代表権のある会長に就任する人事が正式発表される。
NTTが社長交代の人事を固めた。
NTT関係者によると、5月にも社長交代の人事案が正式に決定され、発表される予定だという。
2018年に就いた現社長の澤田純氏(66歳)は代表権のある会長となり、現副社長の島田明氏(64歳)が株主総会の開かれる6月に社長に就任する。
「澤田院政」が始まるのか
今回の人事で複数の通信業界関係者らが注目するのは、新社長の島田氏ではなく、会長となる澤田氏の動向だ。社長を経て代表権のある会長に就く人事は、NTTでは過去30年近くなかったからだ。澤田氏が敷いたNTTグループの再結集やテクノロジー重視という路線を継続させる「澤田院政」が始まるとみられている。
NTTの社長任期は1期2年。2018年6月に社長に就任した澤田氏は、1985年に民営化したNTTの8代目社長にあたる。社長退任後、代表権のある会長に就いたのは2代目社長(任期は1988年~1990年)の山口開生氏以来のことだ。
例えば、澤田氏の前任である7代目社長の鵜浦(うのうら)博夫氏(任期は2012年~2018年)は、社長退任後に相談役となっており、取締役でもなく、代表権もなかった。これまでNTT社長の任期は5~6年が多かったが、「もともとNTT社内で目安とされてきたのは2期・4年で、長くなりがちだった社長の任期がようやく正常化するという見方もできる」(前出のNTT関係者)という。
澤田氏はスピード感のある経営スタイルで知られる。その結果、社長在任中の4年間で数々の功績を築き上げてきたのは紛れもない事実だ。
例えば、NTTで収益柱となっているドコモの完全子会社化に加え、長距離通信などを担うNTTコミュニケーションズ(コム)をドコモの傘下とする事業再編、近未来の通信規格「6G」時代の基盤技術となる可能性を秘めた「IOWN(アイオン)構想」の発表などだ。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
東洋経済ID 会員特典
東洋経済IDにご登録いただくと、無料会員限定記事を閲覧できるほか、記事のブックマークや著者フォロー機能、キャンペーン応募などの会員限定機能や特典をご利用いただけます。
東洋経済IDについての詳細はこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら