外食 出店の限界 生き残りかけ郊外進出
このまま衰退するか、攻勢をかけるか。外食チェーンが難しい選択を迫られている。
神奈川県海老名市の小田急線海老名駅を降りて歩くこと約10分。踏切を渡った先に、昨年1月にオープンした食べ放題焼き肉店「焼肉きんぐ」とステーキハウス「ブロンコビリー」が店を構えていた。いずれも郊外ロードサイドを中心に支持を広げ、出店を拡大してきた外食チェーンだ。
そんな郊外の雄たちの目の前に、同年7月に牛丼チェーン大手の「松屋」が乗り込んできた。近隣にはマンションも並んでおり、平日の昼間でも客足は途切れない。松屋はこれまで都市部の駅前を中心に出店してきた。ところが、コロナ禍を経てその出店戦略がガラリと変化。足元では郊外ロードサイド店を急速に増やしている。
競合の「すき家」や「吉野家」と比べると、2021年の松屋の出店に占める郊外ロードサイド店の比率はまだ低い。それでもコロナの影響が出る前の19年比で、21年に松屋が出店した郊外ロードサイド店の数はおよそ5.5倍にまで拡大した。
郊外ロードサイドへの出店を進めているのは松屋だけではない。首都圏のJR駅前に集中的に店を展開してきた中華業態「日高屋」も、今後は出店数の3割程度をロードサイド店にしていく構えだ。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け