スマホ出荷停止「バルミューダ」に問われる成長力 ガバナンスにも厳しい目線が向けられている
上場から1年が経った、中堅家電メーカーのバルミューダ。ここにきて、さまざまな問題が噴出している。
スマホ発売で話題を呼んだ、中堅家電メーカーのバルミューダ。だが、発売から約1カ月後の1月10日、同社はスマホの新規出荷の一時停止を発表した。
バルミューダは2021年5月にスマホ市場への参入を表明。11月16日に同社として初めてのスマートフォンを発表し、同月26日から発売した。
同社の寺尾玄社長は「世の中にあるスマートフォンは画一的になってしまっている」、「何かを買おうとするときにいくつかの選択肢から選べるが、スマートフォンの世界にはそれがない」と違いを出すことに熱を入れた。
4.9インチの小型画面で、曲線を基調とした丸みを帯びた「芸術」により他社との差別化を狙ったほか、寺尾社長は元ミュージシャンとしてアラーム音にもこだわり、メモやスケジュール管理などで高い体験価値を提供できるとするオリジナルアプリも入った。その一方で価格はSIMフリー版で10万4800円とハイエンド機種を彷彿させるものの、スペックはミドルレンジにとどまった。競合する国内メーカーからは「全く脅威にならない」との声まで出る。
それから約1カ月後の2022年1月10日、バルミューダはスマホの新規出荷停止を発表した。製造委託先の京セラから日本の通信規格に適合していることを示す「技術適合証明の認証に確認すべき事項が発生した」との連絡を受けたためだ。7日から新規出荷を見合わせていたが、14日には販売を再開し、既存利用者のソフトウェアのアップデートも行う。それでも短期間での出荷停止はブランドイメージの悪化につながる可能性もある。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け
無料会員登録はこちら
ログインはこちら