村田製作所、「部品の王者」に幹部が抱く危機感 「あぐらをかいて滅びる企業」にはならない
電子部品で国内最大手の地位を確固としながら、新事業の創出を急ぐ村田製作所。その狙いと背景にある危機感を幹部が語った。
新事業はリスクヘッジの「保険」
――部品事業の成長が続いているにもかかわらず、ソリューションなど新事業に挑戦しているのはなぜですか。
現時点では何が正しいとは言えない。このまま主力の部品事業を突き詰めるのも、300年も仏壇屋だけをやっている仏壇屋のような京都企業のスタイルとして正しい。
ただ、私たちには健全な危機感がある。1800年代から100年以上続いているさまざまなエレクトロニクス企業は、創業当時から事業内容が変わっている。
村田製作所がこのまま100年後も続くかと言えば、既存事業の中でコモディティ化する事業は、新興国の企業に取って代わられる可能性もある。その事態が明確になってから何かしようとしても手遅れだ。
新しい事業には、部品ビジネスと違うスキルが求められる。今からマインドセットやスキル、人材育成を含めて仕込んでいる。
――投資家の間では、部品事業の成長に向けた投資も必要な中、ソリューションビジネスの育成にコストをかけることに否定的な声もあります。
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