ワクチン3回目「職域接種」への拭えぬ不安 課題は十分検証されたのか

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噴出した課題やその対策は十分整理されたか。現場からは不安が漏れ聞こえる。

自治体への負担を減らし、国内のワクチン接種率を高めることに貢献した職域接種だが…(ロイター/アフロ)

新型コロナウイルスの新たな変異株・オミクロン株の感染者が国内でも確認された。警戒感が高まる中、全国では3回目のワクチン接種が医療従事者から始まっている。

3回目の接種は当初、2回目の接種後8カ月が経過した人から対象とする想定だった。が、岸田文雄首相は12月6日の所信表明演説で「8カ月を待たず、できるだけ前倒しする」との方針に言及。まさに大号令の様相を呈している。

大企業や大学などでの職域接種も、2回目までと同様に実施される。職域接種は自治体への負担を減らし、2021年前半にはほかの先進国に比べ低水準だったワクチン接種率を飛躍的に高めることに貢献した。

一方、その運用をめぐっては混乱が生じた。今年6月8日、厚生労働省による会場登録受け付けが開始されると、企業などから申請が殺到。同25日には早くも新規の受け付けを停止した。

調整に当たっていた河野太郎ワクチン担当相(当時)はその後の会見で「ワクチン不足ではなく、1日当たりの配送可能量をオーバーしているため」と説明。だがそれ以降、新規受け付けが再開されることはなかった。

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