「名岐アパレル」で連鎖倒産 産地が直面する厳しい現実
新型コロナで衣料品需要が“蒸発”。耐えきれず淘汰される企業が増え始めた。
収束の気配が見えない新型コロナウイルスの感染拡大。長引く外出自粛の要請で、アパレル業界が深刻な影響を受けている。
コロナ禍での巣ごもりは、外出に伴う衣料品の需要を蒸発させた。ある衣料チェーンの幹部は、「今年はさすがにコロナ禍の影響が後退するだろうとにらみ、春夏製品を多く仕込んでいたが、完全に空振りに終わった」と嘆く。現在はその在庫処分に追われる。
小売店の不況は、そこに商品を出荷するアパレルメーカーや卸にも波及する。
5月14日、名古屋市中区に本社を構えるコイケが民事再生法の適用を申請した。負債総額は73億円。同社は婦人服やニット製品などアパレル製品を幅広く取り扱うが、コロナ禍で取引先である衣料店の需要が急減、資金繰りに行き詰まった。
「まさかあのコイケが潰れるとは」。業界関係者は驚きの声を上げる。コイケはアパレル製品の企画・販売よりも、アパレル製品の輸入代行が主力事業で、地場の中小アパレルの輸入費用を一時的に肩代わりすることも多かった。いわば、同地域における中小アパレルの駆け込み寺のような存在だった。
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