トヨタ直営店でも不正車検が発覚 異例の総点検に募る危機感
系列販売店で不正車検発覚が相次ぐトヨタ。販売好調な中、どう軌道修正するか。
国内の自動車販売業界に再び衝撃が走った。トヨタモビリティ東京(TMT)の販売店・レクサス高輪(東京都港区)で565台の不正車検が発覚した。
トヨタ自動車系では3月にネッツトヨタ愛知の販売店で5000台超の不正車検が発覚したばかり。TMTは全国に258社あるトヨタ系販社で唯一の直営で範たる存在なだけに、系列販社の幹部は「想定外だった」と戸惑いを隠せない。
今回の不正は6月に国土交通省関東運輸局が行った監査で発覚。2019年6月以降に同店が実施した車検の約3分の1に当たり、4人の検査員が関わった。排ガスの成分やスピードメーターの精度について必要な検査を実施しなかったり、ヘッドライトの明るさやパーキングブレーキの効き具合などについて検査の結果を改ざんしたりしていた。
TMTのレクサス高輪では車検の時間を2時間に設定していた。しかし、新車販売の増加に伴って、車検の入庫台数も拡大。一方で人員や設備の増強が追いつかず、社員への負荷が慢性的に高まっていた。車の状態は車種や走行距離によって違い、車検の作業時間は本来1台ごとに変える必要があったが、「時間内に仕上げることを最優先したことが不正につながった」(TMTの関島誠一社長)。
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