「社外役員3分の1以上」には根拠も意味もない インタビュー後編/東レ社長 日覺昭廣
(前編:「経営を欧米向けにわかりやすく。おかしな話だ」)
――今回のコーポレートガバナンス(CG)・コードの改訂では、上場企業の社外取締役の割合を少なくとも3分の1以上にすることを求めています。
3分の1以上や過半数といった数字にはそもそも何の根拠もないし、まったく意味がない。
もし、誰かが経営の現場で何が起きているのかといった事実を調査して、「課題の本質原因や不祥事が起きる理由は社外取締役が3分の1以上いないからだ」という分析結果に至って決めた数字なら、多少は意義があるかもしれない。
だが実際は、経営経験のない人が連想ゲームのように何となく決めた数字だろう。社外取締役の比率は企業の自主性を尊重するべきだ。いい加減なアイデアで決めた数字で企業を縛るべきではない。
このままだと賛成できない
――それでも、東レは2020年6月の株主総会を経て、「社外比率3分の1以上」という基準に合わせました。
日本の金融機関や機関投資家では(投資家の行動規範であるスチュワードシップ・コードの強化で)投資方針と議決権行使の結果を開示して外部に公表することが求められるようになってきた。
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