香港問題めぐり米中激突 加速するデカップリング

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香港国家安全法施行で米中対立は深刻化。企業活動への影響も必至だ。

本誌コラムニスト:西村豪太
写真:ボルトン前大統領補佐官の回顧録は、トランプ大統領が習近平主席に再選への協力を懇願したと暴露。米中交渉の危うい内幕を満天下にさらした

中国にとっては、米国でトランプ政権がこのまま続くのと、民主党の大統領候補であるバイデン元副大統領が勝つのとどちらがいいのか──。最近、世界のメディアをにぎわせている問題だ。

結論を先に言えば、トランプ政権のままがいい。貿易交渉を通じて手の内がわかっているからだ。

下グラフのように対中感情の厳しさはトランプ氏率いる共和党の支持者も、民主党の支持者もそう大きく変わらない。急激に国際社会での影響力を増す中国を米国の安全保障上の脅威とみなす傾向に、新型コロナウイルスの感染拡大が駄目を押した。米国では新型コロナによる死者が13万人を超えた。最初に感染爆発が起きた中国での当局の対応の遅れがパンデミックを招いたとみなされており、中国への怒りは大きい。

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中国政府の香港への統制を強める香港国家安全法の導入はそれをさらに加速した。英国の植民地だった香港が1997年に中国へ返還されるに当たって同地の資本主義経済を維持するため、香港には返還後50年にわたり高度な自治権と資本主義制度を維持する「一国二制度」が認められた。

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